うり×ポリ日記(仮)

うりくらげの新しいブログ

TRUTH OF PEASE光と闇の歴史6

「僕は…お2人がご存じのように、レシュラの森に住んでました…」
レシュラの森というのは、リシュアの森の隣にある深い森だ。このあたりではモンジャラはレシュラの森にしかいないのでルリィもすぐわかった。しかし、なぜモールがリシュアの森で倒れていたことに驚いたのかというと…
「レシュラの森は現在、ひどい有様なんです。木々は枯れ、植物も育たないので食料が乏しくて…しかも僕たちはなぜか森から出ることもできず、そのせいで餓死者も多く出て、数少ない食物をめぐって略奪や強盗が絶えないんです」
森から出られない…それはこの国、ルチール王国の政策のせいだった。
8年前、人間とポケモンの対立が激化していったころ、何と人間の化学兵器のせいでレシュラの森の植物が全て枯れてしまったのだ。そのせいで森の周辺の治安は急激に悪化、国はこれ以上被害を拡大させないように森をセレビィに頼んで封印してしまったのだ。もう誰も森から出ることができないように…
しかしその真実をモールは知らないようだった。誰にも知られないうちにこの政策が実行されたのだから無理はないだろうが、そのことをモールに告げるべきかわからなかった。
「僕は犯罪なんて嫌いでした。だから今まで死体などを食べて、何とかつないできたんです。それまでは上手く隠れながら暮らしてたんですが、ついに見つかってしまって…」
「それで殺されかけながら逃げだした。で、いつの間にかリシュアの森に出ていたと」
モールはうなずいた。今までの話を聞く限り、レシュラの森は今大変な状況にあるようだ。国ならそれくらい予想もできていただろうに…
「僕はもうあんな所に戻りたくありません。母も死に、妹も狂ってしまったあの森に…。でも行くところが無いんです。僕は…どうすればいいんでしょうか?」
今までモールの話を黙って聞いていたルリィは自分の考えを口にした。
「じゃあ…ボクのとこに来るってのは?」
その言葉にディーズもモールも驚いた顔をした。
「いいのか!?だってこいつは…」
「でも困ってるポケを放ってはおけないよ」
モールはルリィを見て言った。
「あ、あの…、本当にいいんですか?僕みたいなのがそんな…」
「いいっていいって。皆優しいし。それに…ボクんとこ、訳あり多いんだ」
後半はディーズに聞こえない程度にささやいた。
「お前らがそれでいいなら…。じゃあ念のため、少し検査をさせてもらうぞ。お前の話だと、栄養失調とかも考えられるしな」
立てるか?とディーズはモールに声をかけ、モールはディーズの手を借りながらよろよろと立ちあがった。そして2人が部屋を出ると、そこにはルリィだけが残された。
「……」
ルリィは少し窓の方を見た。ルリィにはモールの話があまりにも生々しく感じられ、少し気分を変えようと思ったのだ。すると窓の外に、ふとポケモンの気配を感じたのだ。
「…?」
窓を開けて外の様子を見ても何もいなかった。
(森のポケモンたちが見てたのかな?モンジャラなんて珍しいだろうし…)
だがそれにしては妙な感じだった。ルリィはそれを今までの話のせいだと思うことにした。それ以上は何も考えたくなかったから…

To be contineued…

今回からあとがきは無くします。あと、コメ返しもちゃんとやることにしました。コメ返しはその作品のコメ欄に出します。