うり×ポリ日記(仮)

うりくらげの新しいブログ

ブロッサム番外編 叶わぬ願い

ここは銀河の洞窟と呼ばれる鍾乳洞。ある時期になると多くのポケモンが挑むダンジョンだ。その奥で彼は眠っていた。
ある日、彼はふとその場に気配を感じた。
(…ああ、そう言えばもうこんな時期か…)
彼の前に現れたのは、傷ついた1匹のゾロアークだった。
「…お前がジラーチだな。俺はゾル。お前に叶えてほしい願いがある」
ゾルは彼の目を見て静かに行った。
「全ての人間を…、この世界から消し去ってほしい」
「……」
彼もゾルの目を見返した。その目から読みとれたのは人間への憎しみ、復讐への決意、そして敗北の屈辱…
「…本当にそれで良いのかい?」
「ああ…、ずっと前から決めていたことだ。そのために俺は全てを捧げた…。俺がやるしかないんだ」
彼は考えた。今のゾルに最もふさわしい答えは何なのか…
「…君の願いは世界の理に反する」
「!!? 何…だと…!?じゃあ俺の願いは叶えてくれないと言うのか!!?」
「君の願いを叶えてあげないわけじゃない。けど、その願いが叶ったとして、君は幸せかい?」
「それは…!」
急にゾルは黙ってしまった。その顔には迷いの表情が浮かんでいた。
「それは…ずっと願ってきたことだから、その夢が現実になれば、あとのことはどうでも良かった。…だが俺は負けた。夢は現実にならなかった。俺は…罪人になってしまった」
ゾルは悲しげな様子だった。恐らく彼は今までの人生全てを復讐に捧げてきたのだろう。そしてそれが達成されなくなった今、彼は生きる目的を見失っている…
「俺のせいで多くの友を死なせてしまった。家族さえも俺は敵に回した…。俺にはもう、何も残っていない」
それを聞いた彼は、ある考えが浮かんだ。
「ではそんな君に、人生を与えてあげよう」
「…? どういうことだ?」
ゾルは彼を見上げた。
「君を支え、君の生きがいとなれるような人…。そんな人にいつか君は巡り合えるだろう」
彼はそう言うと眠る体勢になった。
「!! 待て、まだ俺の願いは…!」
「君の心はそう願っていたよ。大丈夫、そのうち会える…」
それだけ言うと彼…ジラーチは清らかな光に包まれ、再び眠り始めた…
「……」
「…終わったか」
ゾルの来た方向から、1匹のZ型のアンノーンがやってきた。
「…ああ、一応な。行くぞ、ゼノン」
彼らは歩き始めた。白と黒の混ざりあった外の世界へ…





あとがき
一応七夕小説。下書きとか何もしてなかったせいでかなり時間食ってしまったorz
最後の下りはあまり良い表現が浮かばなくて…。BWを意識してるわけではないです。
とにかくすみませんでした。
ちなみにTPHYにも関連付けしたのは、それにも関係する話だからです。どう関わってくるかというと…まあ見ての通りです。