うり×ポリ日記(仮)

うりくらげの新しいブログ

TRUTH OF PEASE光と闇の歴史7

モールを連れて家に帰る途中、ルリィはこの国の首都、チェストシティを通っていた。
「あれっ、ルリィじゃないか?」
名前を呼ばれて振り返ると、そこには辞書を背負ったムンナを連れたエーフィが立っていた。
「あっ、ルビー!久しぶり!」
「久しぶりだね。ところで、そっちのモンジャラは…」
ルリィはこれまでのことをそのエーフィに話した。
「だからさ、ルビーなら何か知ってると思うんだけど…」
「うーん、僕も何となく違和感を感じていたんだけど、まさかそんなことが…」
「あ、あの…」
モールが遠慮がちに声を発した。
「あなたは、まさか…」
「ああ、自己紹介がまだだったね」
エーフィはモールの方に向き直った。
「僕はルビー。この国の国王、クリスタル陛下の側近だ」
「えっ、やっぱりルビーさんなんですか!!?」
ルビーはルチール王国の国王であるブースター、クリスタルの側近であるとともに、エスパーの中でも屈指の実力者として有名だった。彼の予言は必ず当たると言われているくらいだ。
「そう。で、こっちが弟子のミィナだ」
さっきまで彼らの話を黙って聞いていたムンナが頭を下げた。
「よろしくお願いしますです!」
「よろしく!まだ小さいのにすごいね!」
「うん、ミィナはこの間タマゴから孵ったばかりでね。ヴォルクタウンで身寄りの無いタマゴを引き取ったんだけど…本当に、大したものだよ」
そう言ってルビーはミィナの頭を撫でた。こうして見ると、2人が本当の親子のように感じる。
「僕はちょっと用事があって街に来たんだけど、今はその帰りなんだ。良ければこれからお茶でも…」
「あー…、今日はいいや。何かそんな気分じゃなくて…」
「…そうかい。ならいいよ。それじゃ…」
そうしてルビーは帰ろうとしたが、ふと立ち止まるとルリィの方に歩いてきた。そしてルリィしか聞き取れない声で囁いた。
「君に1つ教えとくよ。もうすぐレルト国で、戦争が起きる」
それだけ言うと、ルビーはもう振り返らず、ゴールデン城へと帰って行った。
「…?どうしたんですか?」
モールがルリィの方を見ていた。
「え?あ…ああ、ちょっとね」
「ルビーさん、最後に何て言ったんですか?」
「えっと…、まあ、色々」
言えない。というより考えたくなかった。また戦争だなんて…
レルト国はかつて、ルチール王国と同じように人間とポケモンの共存する国だった。しかし、人間がポケモンを迫害し、それが戦争に発展したためにその国のポケモン達はほとんどが殺され、表面上ではポケモンはいなくなったことになっている。しかし、実際はこの国に亡命してきた者も多く、まだレルト国にも隠れて暮らすポケモンはいて、そういったポケモンは見つかり次第殺されているらしい。
そういった隣国のいざこざから、ルチール王国でも似たような状況になり、戦争が始まったが今は休戦協定が結ばれている。
とにかく、レルト国で起きる戦争というのは、恐らく生き残ったポケモンたちによるものだろう。そして、その戦争に加担しそうなポケモンが1匹、ルリィには心当たりがあった。
「…とりあえず、ボク達も帰ろうか」
そしてルリィ達は歩きだした。ルビーの予言に、底知れない不安を抱きながら…

To be contineued…